染色作家 祐斎

幻の染め

夢こうろ染(ゆめこうろぞめ)で染められた布は、太陽光に当たると色が変化する。墨色からワイン色へ。紺色から赤紫へといったように様々な彩りに顔を変える。

夢こうろ染(ゆめこうろぞめ)の源は、日本最高位の染「黄櫨染(こうろぜん)の御袍(ごほう)」にある。

平安時代初期の820年、時の嵯峨天皇の詔により、黄櫨染は即位の大礼や大嘗祭など重要な儀式の際に天皇だけが着用できる第一礼装となった。以来1200年の長きにわたり、最も厳格な絶対禁色と定められた。

天皇側近以外の目に触れる機会がなく、正確な染色法も一般には知られてなかった事から「幻の染」と呼ばれていた。

1992年、奥田祐斎が歴代天皇の黄櫨染を調査・研究する機会を得、その謎を解き明かして現代に再現。新たな色変化バリエーションを加えた染色技法を「夢こうろ染」(ゆめこうろぞめ)と名付けた。